iPad(第10世代)が10月26日に発売されました。ボディが新しくなり、前世代から変更点が多数あります。
併売されているiPad(第9世代)、iPad Air(第5世代)と比較しながら評価しています。
簡易比較表
項目 | iPad(第9世代) | iPad(第10世代) | iPad Air(第5世代) |
ディスプレイ | 10.2インチ | 10.9インチ | 10.9インチ |
解像度 | 2,160 x 1,620 264ppi | 2,360 x 1,640 264ppi | 2,360 x 1,640 264ppi |
CPU | Apple A13 | Apple A14 | Apple M1 |
端子 | Lightning | USB-C | USB-C |
生体認証 | 指紋(ホームボタン) | 指紋(側面) | 指紋(側面) |
フルラミネーション | なし | なし | あり |
イヤホンジャック | あり | なし | なし |
スピーカー | 片側 | 両側 | 両側 |
Apple Pencil | 第1世代 | 第1世代 | 第2世代 |
重量 | Wifi:487g Cellular:498g | Wifi:477g Cellular:481g | Wifi:461g Cellular:462g |
価格 | Wifi:49,800円~ Cellular:69,800円~ | Wifi:68,800円~ Cellular:92,800円~ | Wifi:92,800円~ Cellular:116,800円~ |
特徴
ボディが新しくなり、スマートな見た目に
一番に目につく前世代からの変更点は、ボディの刷新です。
第9世代までの前面にホームボタンのあるデザインから、AirやProによく似たホームボタンの無いデザインに変更されています。
第9世代(画像右)は上下のベゼルが太く、少し野暮ったい見た目でしたが、第10世代(画像左)ではホームボタンの削除により上下のベゼルが細くなり、スマートな印象に変わっています。
鮮やかなカラーバリエーション
第10世代ではカラーバリエーションも刷新されました。「シルバー」と「スペースグレイ」のみだった選択肢が、「シルバー」「イエロー」「ピンク」「ブルー」に変更されています(画像左)。また、同じくバリエーションの多いAir(画像右)と比較して、ポップなカラバリとなっています。
端子がLightningからUSB-Cに変更
ボディの変更に伴い、端子がUSB-Cに変更されました。最近のデバイスはUSB-Cを採用していることが多いため、充電機器を兼用できるのはありがたいです。ただし、現時点で最新のiPhone14はまだLightningを採用していますので、注意してください。
スピーカーが両側にある
第9世代までは横持ちした時にスピーカーが片側にしかありませんでしたが、第10世代では横持ちで両側にスピーカーがあります。これにより、スピーカーで音を聴く場合に、片側からしか音が出ないことによる違和感が解消されました。
気になるポイント
価格が高い
一番気になるポイントは、価格の高さです。
これまでのiPad(無印)には、「そこそこ新しいAppleのCPUを搭載したタブレットが、比較的安価で購入できる」という強みがありました。しかし、第10世代は68,800円~と手軽さが薄れてしまっています。円高の影響もありますが、元の価格が上昇しています(第9世代:329ドル→第10世代:449ドル、価格差120ドル=1ドル140円で約17000円)。
10インチクラスにはAirやProといった上位モデルがありますので、無印は価格的手軽さを維持してほしかったです。
フルラミネーション非搭載
iPad(第10世代)では、フルラミネーションが非搭載です。
フルラミネーションとは簡単に言うと、「タッチする面」と「映像が映し出される面」の隙間を(ほぼ)なくす技術です。フルラミネーション非搭載のディスプレイでは、見てわかるレベルで「映像が映し出される面」が少し奥にあります。この隙間によりタッチ操作と実際の描画にわずかなギャップが生じますので、繊細なタッチ処理が必要となる方(iPadで絵を描きたい方など)は、フルラミネーション搭載のモデルをオススメします。
また、普段使いでも人によっては違和感を感じるかもしれません。筆者はフルラミネーション有無のどちらも持っていますが、非搭載モデルでは画面がちょっと奥にあるなと感じます。
第9世代までの仕様が継続されたのだと思いますが、この価格帯であれば、フルラミネーションは搭載してほしかったです。
イヤホンジャックなし
第9世代まであったイヤホンジャックが削除されました。最近は無線イヤホンもかなり広まってきていますので、普段使いではそれほど影響はないのかなと思います。
音ゲーやFPSゲーム等、わずかな遅延もNGなゲームをされている方は、遅延を気にして有線イヤホンを使っている場合もあると思います(最近は低遅延をアピールポイントにしている無線イヤホンもありますが)。どうしても有線を使いたい方は、変換コネクタが必要となります。
Apple Pencilは第1世代対応
Apple Pencilは第1世代対応です。他モデルと併用する方は注意してください(mini:第6世代、 Air:第4世代~、 Pro11:第1世代~、 Pro12.9:第3世代~はApple Pencil(第2世代)対応)。
総評
やはり気になるのは、価格の高さです。個人的にはiPad(第10世代)を買うよりも、もう少し追加して「Apple M1」と「フルラミネーション」が搭載されたAirか、安い第9世代を選ぶかなと思います。廉価モデルの最大の強みである「価格の安さ」は維持してほしかったです。
iPad(第10世代)にしかない強みはカラーバリエーションです。特にピンクとイエローは特徴的で、見た目を重視する方には選ぶ要因になり得るのではと思います。
以上、iPad(第10世代)の評価でした。ご覧いただきありがとうございました。